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Tファイター茜 episode.5

初戦!堂園姫璃vs早乙女芽衣


 「あの早乙女姉妹って子たち、強そうだなぁ」

 「どんなスキルを使ってくるんだろう」

 観客席では湶と雪乃が相手の観察をしていた。

 「でも茜、本当に大丈夫? 恵理香って先輩も弱くはなさそうだよ?」

 「うん、大丈夫。頑張るよ」

 「落ち着いて戦えば大丈夫ですよ、茜ちゃん」

 「はい!」

 闘技場の中央では、ドレス姿の姫璃と、ゴスロリ姿の芽衣がお互い距離を置いて向き合っていた。

 「行きますわよ!メインスキル、触手召喚プラス!」

  姫璃が先に動いた。発動された触手召喚の上位スキル、触手召喚プラスによって、2本の”人の腕程の太さ”の触手が芽衣に向かって伸びて行った。


 「姫璃先輩、上位スキルまで持ってたんだー。スパーリングとかで使ってたっけ?」

 「スパーリングはあくまで技の練習のため。上位スキルを使って勝つのが目的じゃないからね」

 「ふぅん、そうなんですか。どうせ持ってるなら使えばいいのに」

 「本当に勝ちたい時に、彼女は本気になるタイプなのね。そういう所は雪乃とそっくり」

 「失礼なーっ!」

 このように、闘技場での姫璃とは対照的に、Tファイト同好会サイドの観客席では上位スキルの使用の話で盛り上がっていた。


 

 「ほらっ、ぼさっと突っ立ってるだけじゃ私の触手の餌食になりますわよ!?」

 「……んっ」

 姫璃の触手が芽衣の細い足首を捕え、そのまま芽衣を引きずり倒した。

 「さぁて、このまま足を開かせてやりますわ」

 姫璃の意志により、触手は芽衣の足を左右に開く。

 この状態は、かなり絶望的だ。しかし、やられている芽衣は先ほどから全くの無表情である。まるで姫璃がどういう攻撃をしてくるのかを見ているかのようだ。

 「ふん。余裕ですわね……でも、こうされてもその余裕ぶった顔を保っていられるかしら? 私はあと一本、触手を召喚できますわ!」

 パチンッ――と姫璃が指を鳴らすと、地面から3本目の触手が現れた。そしてその触手は、芽衣の大きく開かれた足の間からスカートの中に侵入し、体のラインに沿ってクネクネと蠢きはじめる。

 「ふふふ、この触手は、特別ですわ」

 触手召喚プラスは、通常の触手召喚と違いさまざまな種類の触手を扱うことが出来る。今、芽衣の服の中で体をなぞっている触手はフワフワとした毛で覆われたものだった。
 
 まるで沢山の筆で体をなぞられているような、くすぐったい刺激が芽衣を襲う。

 「……く……くふっ…………」

 「……表情の変化が無くて、効いているのかどうか分かりませんわね」

 芽衣は、両手は自由なため、反射的に腋をガードするように手を縮こませるが、芽衣の表情からは今の攻撃が有効なのかどうか見極めることは出来なかった。

 「それなら、これでどうですのっ? その大きく開かれた足の間の弱点、責めさせていただきますわよっ!」

 毛のついた触手に芽衣の体を責めさせつつ、姫璃は芽衣の足の間に座り込み、純白の下着に守られた秘部に指を這わせた。

 人差し指と中指を割れ目にそって交互に上下させ、的確に快感を与えていく。そして、そのじれったいような動きを徐々に激しくしていき、最終的にはパンティをずらして直接秘部を指でクリクリと刺激し始めた。

 毛細触手による刺激と、姫璃の指による刺激。芽衣は全く無抵抗のまま、この二つの大きな快感を受け入れていた。

 しかし、一向に効いている気配はない。芽衣の秘部はジュクジュクと音を立て始めているにも関わらず、冷静な表情で、まるで人形のようにされるがままになっていた。

 「……あなた、勝つ気はあるんですのっ? しかしこうまで快感に強いとは、もしかして快感耐性のサブスキルを付けているのかしら……それならば、作戦変更ですわっ!」

 姫璃はグラウンド状態のまま芽衣を後ろから羽交い絞めにし、絡みつくように自分の足を芽衣の足へと絡めた。つまり、芽衣は仰向けの状態で後ろから姫璃に動きを封じられていることになる。

 「触手によるくすぐり、受けていただきますわっ」
 
 姫璃は、芽衣の足を拘束していた触手をほどき、2本の触手の先端を腋の下へと当てた。そして触手の先端を使いグニグニと腋の下をくすぐり始めた。残りの一本の毛細触手は姿を変え、”太もも程の太さ”の触手となった。そして、先端がパカッっと割れ、触手の中から沢山の細い触手が現れた。
 
 「この大量の触手であなたの足の裏をくすぐってやりますわ。片足しか責められないのが残念ですけど。今度こそ、その余裕ぶった表情を涙でグシャグシャにしてやります事よっ!!」
 
 触手は器用に芽衣の可愛らしい靴を脱がし、黒タイツに包まれた足の裏をめちゃくちゃに這いまわった。
 
 「ふふふっ、暴れても無駄ですわっ! 私ががっちりと押さえ込んでいますから、このまま触手のくすぐりで笑い死になさいっ!」

 「…………くひっ……ひゃんっ……」

 「効いてきたようですわね。やはり、快感耐性のサブスキルでしたか。このまま何の抵抗もさせないまま、勝負を決めてやりますわっ!」

 今まで無表情だった芽衣の顔がくすぐったさに歪み始めた。姫璃は、その反応を見逃さず、ここぞとばかりに触手を激しく動かしくすぐった。

 「ひゃひひっ、さすがに……許容範囲を超えてきたようです……でも、あなたの攻撃力は見切りました……私のメインスキルを発動します」

 「ふんっ、今更どんなスキルを使おうと、この絶対的な状況から覆せは――ッ!?」

 芽衣の周囲が眩く光りはじめた。姫璃は目の前の光に、思わず目をつぶってしまった。

 「……さぁ、これからは私の番ですよ?姫璃先輩」

 姫璃が目を開けると、相変わらず自分の真上で羽交い絞めをされている芽衣。一瞬目をつぶってしまったことに不安がよぎったが状況は何も変わっておらず、安堵した。

 「はぁ、はぁ、ビックリさせてくれますわね。そんな、固められて手も足も出ない状態で何を言おうと、しょせんは強がり。状況は何も変わっていませんわ」

 「……果たしてそうでしょうか?」

 妙に落ち着き、自信に満ちている芽衣の言葉に、姫璃は状況を見渡した。

 「あ……っ、そ……そんな!なぜ!?」

 そして見つけてしまった。芽衣の体から光が発せられる前と後、その違いを。

 「なぜ……、私の召喚した触手が消えているんですのっ!?スキルを解いた覚えはありませんのに……ッ」

 そう、姫璃が召喚した触手が消えているのだ。

 「……これからは、私の番ですよ?先輩」

 ズザ――ッ!!っと、姫璃の周囲で地面が破ける音がした。3本の触手がウネウネと鎌首をもたげている。

 「なっ!?これは、触手召喚!?そんな……サブスキルは恐らく、くすぐりにも快感にも耐性が付く両耐性スキル……そしてメインスキルは私の触手を消した謎のスキルだとしたら、どうして更に触手召喚まで使えるんですのッ!?」

 困惑している姫璃だが、芽衣の触手は待ってはくれなかった。2本の触手が芽衣を羽交い絞めしているためにがら空きのわき腹を両方からグニグニと刺激し始めた。

 「ひゃははっ、いっ、意味が分からないですわっくひひっ、ははははははははっ」

 くすぐりにより手の力がゆるんだところを狙い、残りの1本の触手が芽衣の胴体に巻き付いて姫璃から引き離した。

 「……これが私のマジックです。上位の触手召喚、面白いスキルですね。さっき受けていて一番効いた触手で責めてあげます」

 芽衣がそう言うと、3本の触手全ての先がパカッと割れ、触手の中から無数の細い触手が現れた。1本の触手につき、30本はあると見て取れる量のため、3本合わせると触手の数はおよそ100本に届きそうな数となった。それが体中を這いまわるのだからたまらない。

 細い触手のため、ドレスの隙間から腋や胸、太ももや陰部、膝の裏や足の裏と、様々なところに入り込んでくる。

 「はぁんっっうううっ、ずっ、ずるいですわぁあっはっはっははははは!ひゃぁああんっ!!」

 「……その反応だと、サブスキルは快感耐性ですね。快感に弱いんですか。んー、くすぐりで責めようか、それとも耐性の許容範囲を超えるような快感で責めようか……悩みます。どっちがいいですか?」

 触手による拘束はされていないため、逃げる事は不可能ではないのだが触手の海に舐めまわされ、体に力が入らない。芽衣はと言うと、離れた所で一人、ちょこんと体育座りをして姫璃の笑い悶える姿を見ていた。

 「あはははははははっ!ちょっ、調子にっ乗らないでっ!!ひゃぁんっ!!触手召喚んんんん!!」

 姫璃は触手に弄ばれながらも懸命に意識を集中し、座っている芽衣に狙いを定めた。しかし、触手は現れない。

 「……決めました。姫璃先輩はくすぐりで倒します」

 「な、なんでぇぇええっはっはっはっはっはははは!!どうして私の触手がぁああああっはっははははははは!!」

 「……なんで出ないか?もう出てるからじゃないですか?さすがに4本以上は扱えないですよね?」

 「姫璃さん!!触手スキルを解いて!あなたはまだ触手スキルを解いてないんです!あなたを責めているその触手は、芽衣さんの召喚した触手ではなくて、あなたがさっき召喚した触手なんです!!」

 観客席にいる湶が叫んだ。

 「……さすがは湶先輩ですね。その通りです。先輩がさっき言った、『サブスキルは恐らく、くすぐりにも快感にも耐性が付く両耐性スキル……そしてメインスキルは私の触手を消した謎のスキルだとしたら、どうして更に触手召喚まで使える』か……。先輩はもうこの段階で私のマジックにはまっていたんです。私のスキルは、相手のスキルを奪う能力。しかも嬉しい事に、スキルを使用する時に使う精神エネルギーは相手持ちなんです」

 「はぁ……はぁ……そうと分かれば…………ッ」

 姫璃は、自分に這いまわる触手を消した。
 
 「……このまま勝てると思ったんですけど。仕方ないですね」
 
 芽衣は立ち上がり、姫璃の方へと足を進めた。姫璃は疲れ切り、豊満な胸が上下するほど、大きく肩で息をしている。

 「……最後は私の手で終わらせますね」

 芽衣は姫璃の足の間に立つと、すとんっと腰を下ろし、姫璃に体を絡み付けるように押さえ込みに入った。そして、細い指を姫璃のパンティー越しにクリクリと這わせた。

 「はぁ……はぁ……くっ、体に……力が………」

 「……さっきの自分の触手にやられて、もうココはびしょびしょですね。そう言えばあれって、自分の触手で自分を責めていたわけですから、オナニー……なんでしょうか?恥ずかしいですね、先輩」

 「……う、うるさい……ですわぁ……んっ……」

 芽衣は、言葉巧みに姫璃の快感を高めていく。トリッキーなスキルだけでなく、純粋なTファイトのレベルもかなり高いようだ。芽衣はパンティー越しに責めていた手を、姫璃の秘部に直接差し込んだ。指はヌルリと入り、くちゅくちゅと音を立てて姫璃を責めていく。
 
 必死に手で芽衣を振りほどこうとするが、疲れと快感で体が言う事を聞かない。

 「い、いやぁ……負けたくっ……無い……負けたくないですわぁあああああ嫌ああああああああ――!!………………」

 姫璃は、白目を向きだらしなくイってしまった。ぐったりとした体が透けて行き、闘技場から消えた。

 「……予定通りの勝利。ほぼ、ノーダメージです。麻衣、次はあなた。頑張ってね」

 Tファイト同好会vs生徒会の戦い。初戦は生徒会に軍配が上がった。

Tファイター茜 episode.4

今回はエロ無しです。

ピンチ!Tファイト同好会!

 「あーかねっ!」

 未だ、昨日の疲れが取れず、どこかぼんやりとしながら登校している茜の後ろから、聞き慣れた元気な声が聞こえた。

 「ん?雪乃、おはよう」

 「なに茜、疲れてるねー♪昨日の茜のイキッぷり、見事だったよー」

 「ちょ、ばか!朝から大声でそんな事言うな!」

 何人か振り向いた通行人の目をはばかる様に、茜は足を速めた。その後ろを雪乃が付いて行く。

 小鞠学園に着き、教室を目指す2人。教室は隣同士のため、最後まで一緒だ。2人はふと、Tファイト同好会の張り紙に目が行った。

 「なにあれ?」
 
 「なんか……貼ってあるね。見てみよう」

 ――このサークルへを許可することは出来ません。つきましては、サークルの代表者は昼休み、生徒会室へと来てください。 生徒会役員 青木恵理香――

 と書いてあった。

 「な、なにこれっ!!どういう事よっ!」

 怒りのあまり、雪乃は生徒会からの張り紙を破り、グシャグシャと丸めて鞄に突っ込んでしまった。

 「青木……恵理香……あの人だ……」

 「茜!昼休み、湶さんとこ行こう!」

 「う、うん……」

 4時限目の授業が終わり、小鞠学園は昼休みとなった。
 
 「さぁ、茜行こう?」

 チャイムが鳴り終わると同時に、雪乃は茜の教室のドアを勢いよく開けた。まだ先生やほとんどの生徒が授業の後片付けをしている中、茜は雪乃に引っ張られて教室を出た。

 「ねぇ雪乃。湶さんどうするんだろう?」

 2人は廊下を小走りで3年の教室まで進んでいく。

 「ん?とりあえず、3-Bの教室前まで来て欲しいって、Tベルにメールが入ってた」

 「そんな機能もあるんだ!Tベル!」

 3-Bの前に着いた。すでに湶と姫璃は窓ガラスにもたれかかり、何か話している。

 「「湶さん!」」

 2人同時に湶の元へと駆け寄る。

 「ああ、来てくれたんだね。さっそく話して行こうか。既に知ってると思うけど、私達のサークルが生徒会に目を付けられたみたい。」
 
 「一体、なんで……」

 雪乃が悔しそうにうつむく。
 
 「それが、分からないんですの。一体どういう事なのか……」
 
 「あの……皆に言ってなかったんですけど……」

 茜が重い口を開いた。

 「あの張り紙を張った生徒会役員を、私知ってるんです。実は湶さんと姫璃さんが屋上で戦ってた次の日、私のところへ青木恵理香っていう人が来て……Tファイトサークルはこれから生徒会が主導で、部活動として発展させていくからサークルは認められないって言われました」

 「なっ!そんな事言って来てたの!?」

 雪乃が声を荒げた。

 「こらこら雪乃ちゃん。今は昼休みだから、みんないるからやめよう?とりあえず、向こうの要望通り生徒会室に行ってみるね」
 
 「湶さん」
 
 「大丈夫、私も、このサークルを続けて行きたいと思ってるから。そう伝えてくるよ」
 
 湶は生徒会室へと向かおうとした。しかし――

 「――ちょっと待って下さる?私も行きますわ。あなた一人に行かせて、言い負かされて帰ってきたなんてあったら恥ですわ」
 
 「姫璃さん……」

 「私も行くよ!湶先輩!その青木恵理香ってやつが、どんなやつか顔見てやる!」

 「……雪乃ちゃん」

 「茜も行くでしょ?」

 「……当然っ!それに、あの青木先輩には個人的に用があるからね」

 「みんな……ありがとう……」

 湶は今まで見たことのないような優しい笑みをこぼした。

 「じゃあ行きますわよ!身の程知らずの生徒会に、抗議しに!」

 奮い立ったように、姫璃が先陣を切った。

「――あんたがしきるな!」
 
 しかし、横から雪乃によって野次が入ってしまった。
 
 「あんたとは何よ小娘!」

 「まぁまぁ、のんびりしてると昼休みが終わっちゃうから、早く行こう?」

 さすがはこのサークルの代表者だけあり、湶はしっかりしていた。

 「「「おー!」」」

 そして、4人は生徒会室へと向かった。





 「ここが生徒会室か……」

 学園の3階の一番奥にある部屋、生徒会室だ。茜にとっては、つい先日足を踏み入れた部屋である。

 「失礼します」

 ガラガラと音の鳴るドアを引き、湶は中へ入っていった。後から姫璃、雪乃、茜が続く。部屋に入ると、生徒会の役員が4人、教室の中で座っていた。そして、その中で一人だけが立ち上がり、一歩前へ出た。その人物は、深い青髪のショートヘアで、体つきは見た感じ細見だがどこか威厳を醸し出していた。

 「お越しいただけて光栄です。学園長の孫娘、篠原湶先輩……と、その他の方々もいらっしゃったのですか」

 「ちょっと!私をその他に分類するなんていい度胸じゃな――」

 「――あなたは確か……」

 「申しおくれました。私、この小鞠学園の副生徒会長を務めさせていただいております桜井由華と申します」
 
 桜井由華。彼女は2年生でありながらも、副生徒会の他に、女子剣道部の主将を務めるほどの人物であり学園内では有名人である。
 
 由華が一礼をしたタイミングで、残りの3人の生徒会役員もこちらを振り向いた。

 「紹介させていただきます。右側から、生徒会部活動執行部役員、青木恵理香先輩です。そして、まだ生徒会に入って日にちは浅いですが、1年の早乙女麻衣さんと、早乙女芽衣さんです」

 茜と恵理香の目が合う。

 「ええ、覚えておくわ。でも私達は、自己紹介をしにここへ来たわけではないんです」

 「ふふ、分かっています。張り紙の事ですよね。恵理香先輩、お願いします。私はこれで。別の用事があるため、席を外します。」

 由華はそう言うと、茜たちに会釈をし、生徒会室から出て行った。それと同時に、恵理香が口を開く。

 「単刀直入に言いますと、今私達は生徒会を主導としてTファイト部の設立を企画しており、全国大会出場も目標にしています。しかし、ただでさえ人数の少ないこの学園で、あなた達Tファイト同好会に部員を取られてしまうと非常に困ってしまいます。そこで、生徒会からの要望としましては、Tファイト同好会は解散し、あなた達は新たに生徒会の作るTファイト部として活躍していただけないかと――」

 「――お断りします」

 湶は即断した。

 「なっ、これは生徒会からの要望ですよ?そっ、それにっ、私達は全国大会を目指してるんです!あなた達はサークルから、立派な部活動として活動できるって言う事なんですよ?」

 焦る恵理香に、湶は何の曇りもない笑顔で返した。

 「あなた達がどう考えていようと、口をはさむつもりはありません。でも私達のサークルの目標は全国大会出場ではなく、全国大会優勝です。私達は、私達のやりたいようにサークルとしてやらせていただきます」

 「え、全国大会?マジ……ですか」
 
 「湶先輩かっこいー!」

 「言いますわねー」
 
 湶の切った啖呵に、茜以外は大盛り上がりである。

 「……そんな……、あなた達の力が必要なんです……。お願いですから――」

 「――恵理香先輩」

 椅子に座っている、双子のうちの一人、早乙女芽衣が静かに口を開き、1枚の手紙を出した。

 「……会長から、こういうの預かってます」

 「ん?あっはっは、何これー」

 横から覗きこんだもう一人の双子、麻衣は思わず笑い出した。

 「……麻衣、会長は本気なのよ?笑ったら失礼だわ」

 恵理香は、湶や茜たちにも見えるようにその手紙を広げた。そこには、小鞠学園の生徒会長からの伝言が書かれていた。
 
 『Tファイトサークル、解散しないようなら潰しちゃっていーよ♡ 今回、私と由華たんはちょっと他の事が忙しくてそっちまで手を回せないんだ(>д<) ごめんねーw 恵理香たんと双子たんの3人で、サークルの子らと、Tファイトでもやって決めたら?じゃあね☆』

 「……宣戦布告と受け取っておきますわ」

 「確かに、Tファイターとして、勝者に従うっていうのが一番わかりやすいんじゃない?生徒会のおねーさん♪」

 姫璃と雪乃はやる気満々のようだ。

 「恵理香先輩、そいつらの言うとおりだよ。めんどいからTファイトで決めちゃおうよ。芽衣もそう思うでしょ?」
 
 「……うん、思う」

 「会長……むちゃくちゃです……でも、私とて生徒会の一役員……やるしかないですね。放課後、ここに来てください。こちらから出す条件は、私達が勝ったらあなた達はサークルを解散し、部活動として活躍していただく事です。お願いします」

 「ええ、分かった。じゃあこっちから出す条件は、サークルの許可ですね。放課後、また来ます」

 湶たちは生徒会室を後にした。廊下では、先ほどの全国大会優勝の目標の事で大盛り上がりである。

 「まさかそんな大きな目標があったとは、知りませんでしたわ」

 「私もー!でも頑張るよ!」

 「全国大会かぁ……、どんなのがいるんだろう」

 「たはは、ごめんね、なんか引くに引けなくなって、つい言っちゃった。という訳で、みんな頑張ろうね」
 
 「もちろんですわ。私の所属しているサークルなら、それくらい当然です事よ」

 「ところで湶先輩、放課後どうするんですか?」

 「ああ、そうか。忘れてた。多分ルールは先に3戦して、勝ち数の多い方の勝ちってとこだと思う。向こうはさっきの双子と、恵理香ちゃんが相手だと思うけど、こっちはどうしようか?」
 
 「……茜さんには悪いけれど、ここは確実に勝ちを狙って行ける私と湶さんと、この小娘で出た方が良いと思いますわ」
 
 確かに負けられない戦いである。茜にもそれは分かっているが、心のどこかで恵理香にリベンジをしたいと思う自分がいた。

 「……それでいいの?茜ちゃん」

 「……私は――」

 


 「来ましたねTファイト同好会の皆さん」
  
 放課後、茜たちTファイト同好会の一同は先ほど訪れた生徒会室へと集合していた。室内には茜たちの他に生徒会役員の3年、青木恵理香。そして1年の早乙女麻衣と早乙女芽衣がいる。今から湶たちは、Tファイト同好会の存続をかけて、この三人とTファイトを始めようとしていた。
 
 恵理香が一歩前に出てルールを説明し始めた。
 
 「今からあなた方の中から3人選んで、私達とTファイトで戦ってもらいます。3戦し、勝ち数の多い方の勝利というルールでいいですか?」

 「いいよー」

 「構いませんわ」

 「異論なしです」

 「……、うん」

 Tファイト同好会はみな、準備万端だ。

 「なら始めましょう」

 恵理香の開戦の合図をすると、生徒会側の他の2人、早乙女麻衣と、芽衣はTベルを起動しTワールドへと向かった。それに続き、茜たちもTベルを起動する。

 Tワールドへ着くと、生徒会側の3人はすでに準備をしていた。恵理香は、”あれ”から約一週間、練習モードや対戦でTマネーを溜めて装備品を買ったのだろう。茜が依然見た恵理香のTワールド内での服装は通常のスクール水着だったが、今回はメイド服になっていた。

 早乙女姉妹は物静かな芽衣とヤンチャそうな麻衣、二人ともフリルで包まれたゴスロリのような服装をしていた。

 「こちらは1年の早乙女芽衣さん、そして早乙女麻衣さん、私の順番で戦います。そちらも順番を決めてください」

 「こっちの順番はもう決まっていますわ。先発は私、そして2番手は雪乃、そして3番手に茜ですわ」

 姫璃はストレッチをしながら自信満々に答えた。

 「……学園長の孫娘、篠原湶先輩はTファイトが強いと聞いています。てっきり3番手はあなたかと思ってました。麻衣もそう思うでしょ?」

 「うん、思う思う!どういうつもり?こっちは私と芽衣で最初に2勝して、湶先輩との戦いを避けようと思ってたのにー!」

 「あら、言ってくれますわね。顔が一緒で分かりませんわ。どっちが私の対戦相手ですの?1年だからって手加減しませんわよ」

 姫璃は華やかなドレス撫でながら、いやらしい指使いで早乙女姉妹を挑発した。

 「……私」

 芽衣が一歩前に出た。

 正式な対戦をTファイトで対戦をする場合、フィールドはランダムで選ばれる。二人の対戦の準備が出来た瞬間、真っ白なTワールドが急に変化し、四方を金網に囲まれた闘技場のような場所となった。姫璃と芽衣が舞台の中央に立ち、その他の人は部隊を取り囲む観客席に座っていた。

 「泣くまでイカせてあげますわ」

 「…………先輩に私のマジックを見せてあげます」

 そして、Tファイト同好会の存続をかけた戦い、第一回戦 姫璃vs芽衣の戦いが幕を開けた。

Tファイター茜 episode.3

スパーリング!

 茜は授業が終わると、雪乃と湶のところへ行き、Tファイトの指導を受ける。そして、家に帰るとまたTベルを起動して練習モードに明け暮れた。難易度を”易しい”の更に下である、”初心者”に設定し、あらかじめ用意されているキャラとくすぐり合い、イカせ合う。初日、2日目あたりまで、一方的にされるがままだった茜だが、3日目にもなると攻撃や反撃が出来るようになり、4日目にはついに相手をイカせて、一勝することが出来た。一笑したことにより、Tワールド内でのマネーを手に入れた茜は、念願の装備品を買うことが出来た。まず手を出したのは、もっとも安い、スクール水着だ。

 そして茜がTファイト同好会へと入ってから今日で5日目。

 三年の生徒会委員、青木恵理香に初めてのTファイトで何も出来ないままに敗北したリベンジをするために、今日も茜は湶のところへ行き、熱心に指導を受けた。

 学園長の孫娘の権限?によって、学校の屋上を部室とし、湶、茜、雪乃、姫璃の4人は放課後になるとTベルを持って屋上へと集合する。

 そして今日も、Tワールド内の対戦部屋で茜、雪乃、姫璃は湶によって特訓を受けていた。

 「いい?茜ちゃん!あなたはくすぐりに人一倍弱いんだから腋をしっかり守って。腋へのくすぐりでひるんでいるうちに、足をすくわれて寝技に持ち込むパターンが一番の基本なの。相手もまずは当然それを狙ってくる!」

 「はいっ!」

 「雪乃ちゃん、素早い攻撃とフットワークは良いけど、防御に回った時に脆すぎるわ。相手と中途半端な位置に立ってるんじゃなくて、逃げる時は一気に離れた方がいいよ!」

 「っ、はいっ!」

 「姫璃さん、あなたはくすぐり耐性と攻守のバランスはとても良いんだけど、性技を仕掛けられると急に腰がくだけるの。そこをしっかりカバーしていきましょう!」

 「……生意気をっ…………ッ!?はぁああんっ!!」
 
 「ほら、こういう風に」

 「クーッ!……不覚ですわっ!」

 「ふぅ、さすがに疲れたね。ちょっと休憩しましょう」

 姫璃に馬乗りになり、水着の隙間から秘部を指でこねまわしていた湶は、立ち上がりタオルで顔を拭いた。

 「はぁ、はぁ、はぁ……」

 中途半端なところで攻めが終わってしまった姫璃は、若干物足りなげに立ち上がり壁にもたれかかった。

 「そうだ、茜ちゃん、私とスパーリングをしてみない?」

 唐突に湶から提案があがった。まだ、Tファイトを始めてから日の浅い茜にとって、湶とのスパーリングは貴重な練習になる。

 「……はい、よろしくお願いします!」

 茜は立ち上がり、構えた。

 「ふふ、気が早いわね。でも戦う前に一つアドバイスをあげる。まだ茜ちゃんはスキルに慣れてないと思うけど、勝敗を決めるのに重要なものは自分のテクニックや実力もそうだけど、スキルも大事よ」

 「はい!」

 「姫璃さんと雪乃ちゃんは一休みしながら見学をしてて。さて、始めよ?」

 言うが早いか、湶はメインスキル、マジックハンド召喚を使用してきた。

 湶の周囲にマジックハンドが2つ現れる。マジックハンドは触手よりも拘束力は劣るが宙に浮いているために触手よりも汎用性が高い。

 「私だって!」

 茜も同じスキル、マジックハンド召喚を使用した。茜の頭上に1つだけマジックハンドが現れた。

 もともとTベルに入っている初期スキルはマジックハンド召喚か触手召喚であるが、どちらが入っているかはランダムなため選ぶことは出来ない。たまたま、茜は湶と同じスキルだった。この二つのスキルは使えば使う程熟練度が上がり、パワーアップしていく。湶と茜のマジックハンドの数に差があるのはそのためだ。
 
 湶の2つのマジックハンドが茜めがけて飛んできた。2つのマジックハンドは、それぞれ右足と左足を掴み、茜を引っ張り倒した。

 「きゃあっ!!」

 仰向けに倒されてしまった茜は急いで起き上がろうとするが、それよりも先に湶に馬乗りにされてしまった。

 「私、本当はマジックハンドを4つ召喚できるんだよ。今はやらないけど、今ので茜ちゃんの両手両足を拘束出来たんだよ?マジックハンドや触手が向かってきたら、まず逃げるか避ける事を出来るようにならないとね」

 「くっ……」

 「とりあえず一回攻撃するね」

 湶は馬乗りの状態で茜の腋へと手を伸ばした。

 「あははははははっ!ひゃはははっ……ひははははっ!!え、えいっ!!」

 茜は自分のマジックハンドで湶の右腕を、自分の両手で湶の左手を掴み、攻撃を止めた。

 「へぇ、でもそこからどうするの?」

 「……どうしよう……。」
 
 「じゃあ先に進めてあげるね」
 
 茜の両足を掴んでいる湶のマジックハンドが離れた。

 二つのマジックハンドが、今度は仰向けの茜の左右に配置され茜の腰やわき腹を突っつき始めた。つんつんという刺激が茜を襲う。

 「ふひっ!?ひゃははは!?そんなあっははははははははははっ!!」

 くすぐられて集中力が切れ、茜のマジックハンドが消えてしまった。しかし、自由になった足をバタバタとさせて抵抗しているうちに、ふとした拍子で茜と湶の耐性が逆になった。湶が下になり、茜が湶にまたがっている状態だ。

 「逆転、しましたね……!」

 若干息を切らし、顔を赤くしながら茜は笑みをこぼした。

 「ここ数日で鍛えた私の技、受けてみてくださいっ!」

 茜は湶の両腕を、バンザイの恰好で押さえつけた。

 「……両腕を押さえた所まではいいけど、この後……どうするの?」

 「こうするんですっ!メインスキル、マジックハンド召喚!」

 茜は再びマジックハンドを召喚した。マジックハンドは湶の足と足の間で、数字の4を現すかのような形で指を伸ばす。そしてマジックハンドは、そのまま手を縦にして湶の秘部に潜り込んだ。

 「ひゃあっ!?ああんっ、くひゃんっ……んんんっ!!」

 湶は足を閉じてマジックハンドの侵入を拒もうとするが、指をウネウネと動かしながら突き進むマジックハンドは止まらない。

 「昨日、この技で初めて練習モードの”初心者”の敵を倒せました!どうですか湶先輩?このままイッっちゃってください!」

 マジックハンドは、湶の水着越しに股の間で縦横無尽に指を動かし、着実に快感のダメージを与えている。

 「んっ、ああんっ!!」

 「マジックハンドの熟練度が上がって、複数個召喚できるようになれば、この状態でくすぐり攻撃を加える予定です。効きますか?湶先輩!」

 「はんんっ、や、やるじゃないっ!茜ちゃん……で、でもっ、負けないよっ!!マジックハンド召喚!」

 すると、茜の左右にマジックハンドが現れ、湶の両腕を押さえつけているためにがら空きのわき腹をくすぐりだした。スクール水着越しの、すべすべの生地を引っかくようにマジックハンドはくすぐる。

 「ひゃん!?そっ、そんなっ、くひひひっ……このまま、耐えきれば……勝てるのにっ……」
  
 湶からの反撃により茜の集中力が弱まったことで、湶の水着越しに股間を弄り回していた茜のマジックハンドの動きが鈍った。

 「自分なりに必殺技を考えたのは偉いわね。でも、この技はマジックハンドって言うよりヌルヌルやイボイボを付加できる”触手”でこそ有効な技だよ。さぁ、今度は私の番」

 湶のマジックハンドは、茜のわき腹から足首へと移動してがっしりと掴んだ。そして、そのまま茜を空中に持ち上げて逆さX字状態にしてしまった。
 
 「使用者の集中力が高ければ高い程、スキルは強くなるっていう事を覚えておいてね?さぁ、これで逆転だね。ちょっとだけ本気を見せてあげる」

 そう言うと湶は、あと二つのマジックハンドを召喚し、空中で逆さ状態の茜の足の裏に配置した。

 「ちょ、ちょっと待って……もしかして……」

 「当たり♪頑張って耐えてね?」

 湶がパチンッと指を鳴らすと、二つのマジックハンドはそれぞれの茜の足の裏をくすぐり始めた。

 「あはははっ!はははははははははっ!!やっ、やめてぇっはははっはははははははっ!!」

 抵抗しようにも、足の裏に手が届かないため、茜は空中で腕をぶんぶんと振り回すだけしか出来ない。

 「ほら、こういう所もね。こちょこちょこちょ~」

 湶は目を閉じてマジックハンドを操る。マジックハンドは茜の足の指の間や、土踏まずに細い指を這わせてくすぐっている。

 「ぎゃはははははははははっ!!ひぃいいっっひひひひひひひっ!!」

 「足の裏、弱いんだね。でも、これで決めちゃうよ」

 そう言うと湶は、茜の後ろ側に回り、マジックハンドによって開かれている足の間に指を構える。振り回されている茜の腕は、湶の経っている位置には届かない。

 「あはーっはっはっはっはっはっはっは!!お、お願いぃっ!やめっ!やめてぇっはっはははははははっ!!」

 「さっきのお返しだよ♪」

 湶は、茜のスクール水着の間に指をもぐりこませ、直接秘部を指でこねくり回す。

 「ひゃああんっ!!はぁ……あひぃっひひひっひひひひひひ!!ははは……ひゃはぁあああああああん!!」
 
 「足の裏くすぐられて、相当疲労が来てるね。すぐイカせちゃうからもうちょっと我慢してね?」

 「ああああああんッ……!!!」
 
 湶は、ぐにぐにと絶妙な指使いで茜を絶頂へと導いていく。そしてついに、プシュッっと茜の秘部から愛液が飛び出し、茜はイッってしまった。

 「……はぁ……ぁぁ……」

 目は半分白目を向き、空中で逆さにされているために舌は鼻の方へとだらりと垂れ下がっている。そして先ほどまでぶんぶんと振り回していた茜の腕は、大きな絶頂の余韻でだらしなく投げ出され、茜は小さく痙攣を続けた後、Tベルにイッたと判断されて茜はTワールドから現実へと戻された。

 「あ、しまった。調子に乗り過ぎちゃった……」
 
 「ちょっと湶さん、何やってるのよもう!」

 「たはは、ごめん。今日はもう解散で。私は茜ちゃんを家に送って来るね。2人はこの後も練習しててもいいよ。任せる。んじゃね」

 湶は、駆けつけてくる雪乃と姫璃に、たははと謝るとTベルのスイッチを切り、現実世界に戻った。屋上に戻ると、フェンスにもたれかかってグッタリとしている茜の姿があった。

 「茜ちゃん、大丈夫?ごめんね、ちょっとやりすぎちゃった」

 「んんっ、はは、大丈夫です」

 「今日はもう終わりにしよう?家まで送っていくよ。急に強くなっててびっくりしたよ」

 湶は茜の横に座り込み、肩を抱いた。

 「本当ですか?ありがとうございます!」

 「ところで茜ちゃん。サブスキルは何を付けるの?」

 「サブスキルですか?今はまだTマネーが無くて、何も付けてないですよ」

 「それなら、一個オススメなのがあるよ。メインスキルチェンジっていう、戦闘中にメインスキルを交換できるものなんだけど」
  
 「メインスキルチェンジですか?でも、サブスキルって例えば、くすぐられ耐性を上げたり、快感耐性を上げたりする、いわば防御的なものって書いてあったんですけど、そういうの付けとかないと、私まともに勝負できない気がします。それに、私まだマジックハンド召喚しか、メインスキル持ってないし……」

 「スキルの設定をどうするかは、茜ちゃんの自由だけど、私があげたそのTベルの中に、一個だけプレゼントとして残しておいたの」

 「そ、そうなんですか!?てっきり何も買ってないから何も持って無いものかと……」

 「まぁ、あくまでアドバイスね?どう使うかはお任せするよ。さ、そろそろ行こうか?フラフラで危ないから、送ってくよ」

 「あ、ありがとうございます」

 茜は、湶に送ってもらい、帰路についた。


続く


~コメントへの返信は続きから~

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Tファイター茜 episode.2

生徒会 青木恵理香登場!

 「あーかねっ!」

 昨日と同じように、校門のところで茜は雪乃に後ろから肩を叩かれた。

 「あ、雪乃、おはよう」

 「おはよー! どう? 私達と一緒にTファイト、やらない?」

 雪乃は早速昨日の回答を茜に求めた。しかし、茜は生まれて初めてあんなに激しい戦いを目に焼き付け、若干の恐れを抱いていた。

 「うーん……ちょっとまだ考え中。入ってる部活やサークルは無いし、入ってもいいんだけど、ちょっと悩むってとこ」

 「そっか、私としては、茜が入ってくれると嬉しいんだけどなぁ。なんなら、今日授業終わった後にTファイトの魅力を直接私が教えてあげようか? フヘヘ」

 ニンマリと、いやらしい笑みを浮かべ、雪乃は茜の方を見た。

 「え、遠慮しとくよ……。さ、早く行かないと遅れちゃうよ?」

 「んだねー、もし入ってくれるようだったら、授業終わった後、3-Bに来てね! じゃねー!」

 相変わらず雪乃は元気に走り去っていった。

 「はぁ……」

 茜は一人、憂鬱なため息をついた。

 授業が終わりのチャイムが鳴った。帰りの支度だけを適当に済ませ教室を後にする。

 「茜、一緒に帰ろうよー!」

 昨日の友人が声をかけてきた。

 「あー、ごめんねー。ちょっとこれから先輩のとこ行かないといけなくなっちゃって。ほんと、申し訳ない」

 残念そうに引き下がる友人を後に、断る言葉を考えながら頭を抱え、茜は3年の教室へと向かった。

 「んー、なんて言おうかな……。やっぱり私には向いてないと思います……すいません、怖いので……うーん……これでいいのかな。……ともかく、このTベルは返そう。」

 「2年生の、笠原茜さんですね?」

 と、その時、後ろから聞き慣れない声に足を止められた。振り返ると、見知らぬ女性。サラサラとした黒の長髪にメガネという、大人しそうな女性だ。

 「私、生徒会風紀委員の青木恵理香といいます。ちょっとお話があるのですけど、付いて来てもらえませんか?」

 「え……っと、生徒会さんが一体私に何の用なんですか?ちょっと急いでるんですけども」

 「ちょっと、お聞きしたいことがあるのですけど、ここじゃ色々とアレなんで。さ、こっちへ」

 アレという意味が分からなかったが、歩き出してしまう恵理香に半ば強引に連れていかれる感じで茜も後に続いた。

 恵理香に連れてこられた場所は、生徒会室だった。

 「今日は誰もこの部屋には来ませんから。さっそくお聞きしたいんですけど……」

 茜を先に部屋に入れ、自分は後から入ってドアを閉めながら恵理香は振り返った。部屋の中はシーンと静まり返っている。

 「昨日、あなたとあなたのご友人の内田雪乃さん、そして3年の篠原湶さんが屋上で堂園姫璃さんがTファイトをしていたそうですね。私達、生徒会はまだあなた方のサークルに許可を出していません。これは、違反行為です」

 先ほどの雰囲気とは打って変わり、恵理香は冷たく言い放つ。

 「いや、ちょっと待って下さい!誤解です!私は見てただけでTファイトはやってませんよ!」

 「篠原湶さんは学園長の孫という事もあり、いきなり彼女に問い詰めて今回の事を表沙汰にすることは難しいと考え、まずはその周囲から聞いて行こうと思いまして。」

 表沙汰、という言葉に茜はビクッとする。

 「い、いやだから、誤解ですって」

 「あくまでシラを切りますか。……分かりました。そこまで言うのなら、あなたにTファイターとして私の挑戦を受けていただきます。私が勝ったら、真実を話してもらいます!」

 「や……はぁ……? ちょ、私はTファイターじゃないしっ――」

 「行きますよっ!」

 言うが早いか、恵理香は茜に飛びついてき、Tベルの電源を入れてしまった。瞬く間に、茜の意識はTワールドへと飛ばされた。

 「こ、ここは昨日と同じ……」

 茜が気づくと、昨日の何もない真っ白な部屋にいた。

 「さぁ、行きますよ」

 恵理香のTワールド内での服装は通常のスクール水着だった。

 「ちょっと待って下さい! 私、まだ服も持ってないんですよ! 昨日から始めたんです!!」

 「さっき、あなたは私はTファイターじゃないと言っていましたよね? やっぱりあなたはTファイターじゃないですか」

 「ああ、いやしまった! そういう意味じゃなくて……っ!」

 「問答無用です。行きますよ! 触手召喚!」

 「きゃあっ!!」

 突如足元に緑色の触手が一本現れ、茜の右足に絡み付いた。

 「ふふふ、実は私も、Tファイトファンで少しだけ勉強しているんですよ! 今はまだ操れる触手の数は一本ですけど」

 茜は、まったく初めての経験に、頭の中が真っ白になり右足に絡み付いた触手を外そうとするがその隙を突かれて湶に押し倒されてしまった。

 恵理香は茜の上にかぶさるようにしてのしかかり、自分の太ももを茜の太ももの間に入れ、足を絡めるようにして動きを封じる。そして茜の胸を揉み始めた。

 「やっ、あっ、やめて……・よっ……!」

 必死に抵抗しようとする茜だが、今の今までこんな経験はしたことが無いためどうすればいいのか分からない。揉まれ続ける胸に、最初は不快感だけで抵抗していたが、いつの間にか何とも言えない感覚が押し寄せてきた。

 「き……気持ち……い……っ……んっ……」

 「まだ装備も持っていない程に初心者だっていうのは、どうやら本当のようですね。こういうのは……どう?」

 恵理香は胸を揉んでいた手を、下に伸ばし、茜の秘部に触れた。誰にも触られた事が無い部分をまさぐられ、電撃が走ったかのように茜は体を痙攣させた。

 「ひゃぁあああんっ!!」

 どうすればいいのか分からず、されるがままに快感を受け入れてしまう茜を見て恵理香は茜が素人であるという事を見抜いた。

 「それならば、快感ではなくくすぐられる辛さを体に教えてあげましょう」

 「ふぁっ――?」

 恵理香は、既に腰に力が入らない茜を正座させ、そのまま茜の体を後ろに倒した。そして太ももの上に馬乗りになり、地面から生えている触手が茜の手首に巻き付いた。こうなると、力の弱い茜が脱出することはほぼ不可能に近い。

 「ふふふ、神聖なTファイトに泥を塗ったあなた達の行為、許しませんよ。覚悟してください?こちょこちょこちょこちょ~」
 
 「ひゃっ!!?あぁ~っはっはっはっはっはっははははははは!!やっ、やめっ!!やめてぇぇっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!」

 恵理香の指が茜の腋やわき腹を這いまわると同時に、先ほどとは打って変わった茜の笑い声が響いた。

 「Tファイトでは、相手をイカせて勝つよりも、相手をくすぐって勝ったほうがポイントが高いんですよ~」

 「ひゃぁぁあっはっはははははははははははははは!!くっ、くすぐったいよぉぉおっはっはははは!!!苦しいぃいっははははははは!あ~っはっはっはっはっはっは!!!」

 茜は、無理な姿勢でくすぐられているため、上手く呼吸が出来ずに、くすぐりによって今まで経験したことのない苦しさを感じていた。

 「この押さえ込みは一昨日ビデオを見て勉強したんです。この状態だと相手の腋、お腹、そして足の裏までくすぐることが出来るんですよ!フフフ!」

 証明して見せるかのように、恵理香は太ももから両外側に出ている足の裏に指を這わせる。

 「きゃっははははははははは!!!足の裏やめてぇえっはっはっはっはっはっははは!!!」

 「まだまだ、反省するまで許しませんよ!こちょこちょこちょこちょ!」

 「うひぃいっっひひひひひひひっひ!!ぐ、ぐるじぃいっはっはっはっはっは!!!ご、ごめんなさいぃっはっは!!ごめんなさいぃぃいい!!!」

 茜は、別に自分が悪いことをしていないにもかかわらず、恵理香の「反省するまで」という言葉を聞いて、一心不乱に謝り続けた。

 「本当に反省してるんですか?」

 恵理香は、指を蜘蛛のように蠢かせてさらに茜を追い詰める。

 「はっ、はいぃいいっはっははは!!してますぅうっはっはははははは!!してますっはははははっはっはっはっはっはっはっはは!!!」

 それから数分間にわたり茜はくすぐられ、ついには苦しさから軽い失神をしてしまった。

 「…………ふぅ。こんな所でいいでしょう。Tファイトはこれから、生徒会が主導で部活化をしていく予定です。その前にあなた達のような人にサークルを作られては、お互い不利益になりますからね。あなた達には引いてもらいますよ」

 Tベルのスイッチを切り、恵理香は満足げに生徒会室を出て行った。

 気が付くと茜は、生徒会室に汗だくで横たわっていた。一人では立てないような疲労感も感じている。くすぐられてボロボロになった状態で床に横たわり、「悪い事をしていないのに謝り続けた自分」、そして「見ず知らずの人間に負けた」事への悔し涙を流していた。

 「茜、遅いなー」
 
 ため息をつきながら、湶の隣の席の机に腰を掛ける雪乃。今は放課後、ほとんどの生徒は帰宅したか、部活やサークルに行っているため、3年の教室と言えど残っている生徒はごくわずかだ。
 
 「いきなり激しい戦いを見せちゃったから、怖くなっちゃったのかなー、たはは」
 
 湶は頭を掻きながら苦笑いをした。
 
 「茜には是非とも、一緒に戦ってほしかったんだけどなぁー」
 
 と、そこへ教室のドアが勢いよく開く音がした。
 
 「――茜っ?」
 
 雪乃が勢いよく振り返るとそこには――
 
 「……ごきげんよう」
 
 昨日、屋上にて湶に完敗した姫璃が不機嫌そうに立っていた。

 「なんだあんたか」

 見るからにガッカリしたように雪乃はため息をついた。

 「ちょっとあなた、先輩に向かってなんて口を……!!」
 
 「あんたは、あんたじゃん」
 
 「まぁまぁ……ようこそ、姫璃さん。本当に来てくれたんですね」

 湶が間に割って入り、二人を制止した。
 
 「……そりゃ、私とて一人のTファイター……。約束はちゃんと守りますわ。ジムにも通いながら、このサークルにも入って差し上げますわ。」
 
 姫璃は、不本意と言わんばかりに、そっぽを向いた。

 「ふふふ、何はともあれ、これからよろしくお願いしますね。必ず5人以上集めて、大会へ望みましょう」

 「オー!」

 「……ふんっ」

 「……雪乃ちゃんの友達の、茜ちゃんだっけ? は、やっぱり無理そうかな?」

 「うーん、どうなんでしょうか。返事はくれる事になっているんですけど――」

 と、その時、教室のドアがガラガラと音を立てて開いた。そこには、何かを決心したかのようにキリッとした表情の茜が立っていた。

 「湶さん、雪乃、あと……。私、このサークルに入ります」

 「ちょっと!私の名前を――ッ!」

 「……どうしたの?茜?目、赤くない?」

 「――そう、その何かを乗り越えようとしている顔、大好きよ。それならこれからよろしくね?茜ちゃん」

 雪乃の言葉を遮るように湶は茜に手を差し伸べた。

 「どうしても強くなりたいんです。頑張りますから、私を鍛えてください。」

 茜は、湶としっかりと握手を交わした。


~続く~


~雑記+コメントの返信は続きから~

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ASTE

今日は少し早起きをしました。
仕事に行くまでの時間で更新更新!

横でげら子がすでに宣伝しているASTEについてです。

ASTEとは、リンク先にもあります、クレナイ製作所のいずとろんさんに制作していただいた小説 正式名称 Another Story of Tickle Emblem ~手のひらの傷痕~ です。

TEの海賊編のアナザーストーリーとなっております。
俺にとって、普段のいずとろんさんの小説の、「キャラが可愛い」、そして「エロイ」に継ぎ、今回は「嬉しい」と三拍子そろった作品となっております。

文章も読みやすく、オススメの作品です!
是非是非、みなさんよろしくお願いします。

ASTE



~コメントへの返信は続きから~

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げらく

Author:げらく
<げら子>
「茜シリーズのストックが底がついたって、げらくが笑ってる」

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